【星とおひさまスタッフ勉強会】ニュートラルコミュニケーション!

今回の星とおひさま葉山里山学校スタッフトレーニングは、雨の中、いつもの真鍋さんの他に、新たに岡本さんと林田さんがいらしてくださいました。

岡本さんも林田さんも、これまでのホースハーモニー経験者です。
今回は、星とおひさま葉山里山学校の理念と、子どもたちの感性の輝きを見逃さないスタッフの感性の重要性、そしてホースハーモニーとの関連性について話し合った後に、雨の日スペシャルのホースハーモニーに挑戦して頂きました。

【雨の日スペシャル】
雨の日スペシャルとは、馬が雨で馬場に出られないときに、厩舎のなかで行うホースハーモニーです。
なぜスペシャルなのか。
それは、馬も人もパーソナルスペースがないということです。馬場に比べれば馬房は遥かに狭いので。。。

馬の立場から見ると、「自分のプライバシーの領域であり、一人ゆっくりと、誰にも気兼ねすることなく気を休められる場所に、人が入ってくるだけで緊張する。」

人の立場からすると、「目の前に500Kgの巨大な、人間の言葉が通じない生き物がいる。馬がちょっと動くだけでも、ものすごい圧迫感と、何かあってもすぐに逃げられない怖さを感じる。」

お互いに逃げ場がなく、相手がそこに存在するだけで緊張するという環境の中で、打ち解けあうにはどうしたらいいのか。

そもそも自分は馬とどういう関係性なのか。そこから始まります。

リーダーとフォロアーという「命令と服従」、つまり「主従関係」、 なのか。
それとも相互理解に基づく「対等な関係」なのか。

「主従関係」でも「対等な関係」でも、どれにも共通しているのは「信頼関係」と言われています。
馬と「信頼関係」を結ぶには、馬のボディランゲージを理解し、人もボディランゲージで話すという「体」からのアプローチと、馬がその時々のボディランゲージを出す「心」の状態を理解するというアプローチがあります。
どちらからアプローチするにしても、人が馬を「観察する。」、「感じる。」、「察する。」、「伝える。」というプロセスを洗練していくということが必要です。

ホースハーモニーは、人と馬との間の「共感」を大切にしています。

まず、心の「枠」を外す。(解放)
そして、「在りのまま」を受け入れる。(受容)
最後に「ただ、共に在る。」(共感)

この三つを実感できたときに、そこに何を見、何が感じられるのか。
その先には「主従関係」とか「対等な関係」とかではない特別な「関係性」が生まれます。縦でも横でもない関係。
「相対と絶対」の関係(^^♪

「在りのまま」が受け入れられないとき、そこにある「不安」や「緊張」
「共に在る」が感じられないときの心の「散漫」や「浮遊」

心がここにない時のタロウさんとルーカスの反応
心がここに在るとき、または戻ってきたときのタロウさんとルーカスの反応

とても分かりやすいです。

雨の日スペシャルは、そんなことを目の前の至近距離で体験できます。

ルーカスの反応は、厩舎の中にいる人の何を感じているのでしょうか。
下の写真、ルーカスの顔は前を向いていますが、目も耳も後ろに神経を集中しています。
この時、人の様子を見てみると、肩の力が抜けていて、すぅっと静かに立っています。人の表情は静かな表情です。

厩舎の中に人と馬の二人きり

するといつの間にか、ルーカス、お尻を掻いてもらってます・・・。

あれ?左からタロウさん。。

お尻を掻いてもらいながら、タロウさんと何を話しているのでしょうか。

ルーカス:「良いでしょ~!僕だけ掻いてもらえて!」
タロウさん:「ふ~ん。」
って言う感じでしょうか?!

上の写真のような「人」と「馬」の様子。
とても静かで、お互いの存在がシンクロしています。
「場」の空気がとても穏やかなのです。
星とおひさま葉山里山学校の空気は、このような空気を目指しています。

次はホースハーモニートレーニング初参加の岡本さん。
いきなりルーカスが寄っていきました。 (下の写真)

ルーカスの向こう側に人がいます。

いくらなんでも馬房の隅っこに立ち、目の前にルーカスが近寄って来たら、圧迫感が大きいかなと思い、対角の方に移動して頂きました。
これを追いかけるかのようなルーカスの動きと、逃げるかのような人の動き。
人の歩く姿勢と雰囲気を見てください。 (下の写真)
壁際に沿った歩き方といい、その時の人の視線といい、「ルーカス、こわい」って言ってるかのようなボディランゲージです。 ルーカスの後追いに焦っていたかもしれません。馬房、外に比べたら狭いですからね。(^^)

人の歩く姿勢にご注目👀

ルーカスは人のボディランゲージを読み取り、後追いを止めて、隅に積んでいる干し草を食べに行きました。(下の写真)
このように、人の心に嘘がない場合、怖ければ怖いと心と体が一致していれば、きちんと馬に伝わります。 (心が「ここに在る」の一つですよ。大丈夫です。)

馬房の隅の干し草を食べるルーカスに、なぜかホッとする「人」

圧迫感を感じたり、怖さを感じたり、ホッとしたりしながら、随時、呼吸を意識して「優しい」状態、すなわち「ニュートラル」な状態になり、ルーカスとの「心」のスタンスが取れてくると…
下の写真のようになります。人とルーカスの距離が近づき、体が馬体に接しているのに、人は笑顔です。

こうなると、下の写真のように笑顔で向き合うことが自然にできるようになります。

笑顔で向き合う二人
換毛期なので痒そうです(-_-;)

思い出してみてください。
最初に馬房に入った時の緊張感が、このときはありましたか?
最初とこの時とでは、ルーカスの馬体の大きさの印象が変わって見えませんでしたか?
「在るがまま」のルーカス。「大きい」とか「小さい」とか、「人」とか「馬」など「相対的」な感覚が消えていませんでしたか?

最後は林田さん。
林田さんは雨の日スペシャル2回目なので、今回は馬を「気」で動かすことに挑戦して頂きました。
ルーカスの腰に手を当てて、「気」を静めます。
「動け!」などと思ってはいけません。あくまでも静かな状態で、体全体から優しく気をしみ込ませるイメージです。

「わぁ! 動いた!」

ルーカスはすっと後ろ脚を左に動かします。
「気」のイメージがルーカスに通じる実感を得た林田さんは、次はルーカスの胸を「気」で押して、後進させてます。

ルーカスはきちんとバックしました。
ここで考えてください。体重が500Kgもある生き物がバックするということを。
私たち人間の後ろ歩きと比較にならないエネルギー消費があります。
それを、人の気を感じて、すっと下がるルーカスの意識はどのようなものなのでしょう。

人間は、「気」が通じて相手が動いてくれることに喜びを感じます。
馬はどうでしょうか。
人が「力」や「心と体が一致していない」ボディランゲージで話しかけてくるのではなく、ダイレクトに「気」でメッセージを送ってくることに対して、それこそ「気心が通じる」思いをするのではないでしょうか。

・・・・・

これまで挙げた三人三様のルーカスとのふれあいは、すべて心をニュートラルな状態にすることから始めました。

・呼吸を意識して、「優しい」状態になること。
・心が散漫ではなく、ルーカスとともにある状態。
この二つをいつも見つめます。

ルーカスと心が通じたその直後には離れてしまう「人」の心。
でも、また呼吸により心が、ここに「在る」状態に戻る経験。
離れては戻り、戻っては離れ。
大切なことは「離れない」ようにすることではなく、いつでも「戻れる」こと。

言い換えるならば、いつでも「ニュートラル」になれること。
「リセット」とはすこし違います。
(※「リセット」との違いはチャンスを待ってやりましょう。)

「人」の心が馬と「共に在る」状態になると、
まず、人と馬が繋がります。
次に、馬と馬がシンクロします。
そして、最後はそこにいる人も馬もシンクロします。
下の3枚の写真を見てください。

【最後はみんなでシンクロ】
ルーカスと人、タロウさんと人。
ルーカスとタロウさん。
そして、人々とタロウさんとルーカス。
みんながシンクロしています。

言葉はいらないですね。
今回のホースハーモニーは「雨の日スペシャル」が幸いして、「ニュートラルコミュニケーション」と名付けることにします!(^^)!。

次回のテーマは、「厩七部に乗り三部」です。
お楽しみに🐴。


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