星とおひさま葉山 里山学校スタッフの真鍋さん。
3回目のホースハーモニーのトレーニングにいらしてくださいました。
【これまでのふりかえり】
前回、真鍋さんに、ふりかえりを兼ねて質問をしていました。
前回の様子は ☞☞こちら。
その回答、「気づき」は、
・お互いを「感じやすい」視線と体の方向を意識することの必要性
・自分の心を「無」にすることに集中するあまり、見逃してしまうタロウさんのサイン
・タロウさんのサインに対する、一方的な拒否の態度とその反省。
・「気づき」と「共感」に基づく、「わかってるよ。かまないでね。」という立ち位置への移動
トレーニング1での「気づき」は、
・伝わることも伝わらないことも、どちらも「コミュニケーション」
・「いつまでも」繋がっていることよりも、「いつでも」繋がれることが大切 詳しくは☞☞こちら。
トレーニング1と2での「気づき」はすべて「優しさ」と「謙虚さ」が溢れ出ているものです。今回のトレーニング3では、その気づきの中から「心を無にすること」を課題に選びました。
【今回の様子】
今回は、長鞭と追い鞭という道具を使って、タロウさんに走ってもらいます。
※どちらも馬体を叩く道具ではなく、お母さん馬のしっぽの代わりとして、ただ振るだけのものです。
上の写真、興味深いですね👀。
なぜ、タロウさんは人の指示では動かずに、ルーカスのフォローで動くのでしょうか?。
人とルーカスでは何が違うのでしょう。
下の写真はその反対。
もちろん、タロウさんと人の立ち位置だとか、姿勢だとか、形から入るコミュニケーション上の理由はあります。でも今回のテーマは心の「無」ですから、そこに行きましょう。
試しに人間側が4本足になってみるイメージをしました🐎。
「歌舞伎の馬」のようなイメージです。2人一組で、前足と後足の役割分担して馬になったまま、タロウさんに指示を出してみました。
すると、タロウさん、いい感じで走り始めました。
※別にタロウさんの意表をついて、驚かせて走らせているわけではありません。
途中から真鍋さんお一人で指示を出し続けます。馬から「人」に戻ります。
上の写真8から10まで、人の足の運びも身体の向きも、とてもスムーズで、タロウさんのエネルギー方向を阻害せずに、その行く手を開放しています。
そして、馬場を何回か周回してから、タロウさんに「止まれ~」の指示をだします。
【今回のふりかえり】
写真4や写真7のような状態で、「閉塞感」や「束縛感」、「焦燥感」や「停滞感」に似たような感情はありましたか?
写真5と6を見ながら、そっとタロウさんを後押しするルーカスの動作と、歩き出すタロウさんを見送るルーカスの目。そして静かに歩き出すタロウさんの心。
この時、指示を出し続けている側の人の「情動」 。
これらの様子から、それぞれの心の「在り方」を考えてみましょう。
共感があるのは誰と誰でしょう。それはどんな共感でしょう。
写真8から写真18までの自分とタロウさんの表情を見て、人馬それぞれの「シグナルに対する応答」とか、この時の人馬の「一体感」など人馬の「心の相互作用」をもう一度思い出してみてください。 求めていた答えがいっぱいありませんか。
以上のことから、「無になろうという意識」は、裏を返せば「無に対する執着」 ではないのか。 そもそも心の「無」とは、求めて得られるものなのか。
今回の写真から「無」でいられた瞬間を思い出してみてください。
タロウさんのサインを見逃さないための「無」の境地。
ところが、その「無」を求めると見逃すタロウさんのサイン。
「無」とは、少し逆説的な、そしてちょっと皮肉な、そんな匂いがプンプンしますね。(^^♪
「無」になろうとすると、それこそ「ムムムゥ」となって眉間に皴が寄り、誰かと一緒に無意識に優しい笑顔になっていると、結果的に「無」と同じ状態に。
今回のトレーニングは、
「タロウさん、ここにいるよ。」
「ボクもここにいるよ。」
繋がってはじめて感じられる「無」、「静かな状態」。
名付けて、「ここにいるいるコミュニケーション」。
【里山学校スタッフの皆さまへ】
星とおひさま葉山里山学校は、校長である星山先生のご指導が中核にあります。
虹色の子どもたちの特性・個性を理解し、家族ともども、その理解が現場に浸透するためには、虹色の子どもたちの感性に、心の底から「共感」できるスタッフの感性が必要です。
スタッフの「目」が曇っていると、子どもたちの瞬間瞬間の輝きを見逃してしまいます。「目」が曇るというのは、大なり小なり、スタッフ自身の思い込み、価値観、先入観、人生観、固定観念などにより、子どもたちの「在りのまま」を受け入れることができない状態のことです。
つまり私たちの普通の日常生活のことです。それはそれで「あり」です。
里山学校スタッフのホースハーモニートレーニングは、いつも澄んだ目でいるためのトレーニングではありません。「いつでも」澄んだ目に戻るためのトレーニングです。
ホースハーモニーは、その時々の人の「心のテーマ」に寄り添うもの。テーマは多様です。でも、タロウさんとルーカスのそれぞれの特性と個性、そして桁外れの「受容性」の助けを借りて自分探求ができます。
誰かが曇っていても、別の誰かが澄んでいる。
自分が澄んでいる時は、誰かをサポート。その反対もあり。
ホースハーモニートレーニングが里山学校の「習慣」となり、子どもたちも大人も、みんなの無形の大きな宝になっていくことを切に願います。
「星とおひさま葉山里山学校」は、スタッフも子どもたちから学びを得て、お互いが高めあえる学校なのですから。
【おまけ】
今回もでましたよ!
タロウさんの「ドヤ顔」!!